秘書の仕事にハマった愛知移民

勝手に秘書に任命され、泣きながら始めたものの、いつの間にか秘書の仕事にどっぷり。ただ今後、担当者として会社の本業に深く関わるお仕事をしてみたかったので、2015年6月、ボスの引退とともに秘書業を卒業しました。これから秘書になりたい人や、突然秘書になれと命令された人のために、秘書の仕事で得たものを書き残します。ちなみに手土産になるお菓子リサーチは、もはや趣味でやるノリになってしまったので、今後もゆるゆる続くと思われます。気が向いたら紹介していきます~

株主総会と役員の選任(コーポレートガバナンスコード)

6月とは。

上場企業にとっては最大の大イベント、株主総会のシーズンです。

 
今日のテーマは、株主総会役員選任
知らなくても秘書の仕事はできますが、
質の高い仕事をするために、知っておいて損はないです。
 
さて、株主総会とは?
 
株主総会とは、株主が集まって会社の基本方針や重要事項を決める会合です。
上場企業においては、新任の取締役と監査役も、そこで承認を経て就任します。
 
株主は会社に資金提供する出資者で、
会社のオーナーとされており、
株主から否認されると、いくら社長がわめいても就任させることができません。
 
「社長がオーナー」ではないのです。
 
なお、取締役には会長、社長、専務や常務といった肩書が付与されていることがありますが、
これらは会社法において定められたものではなく、各会社が独自に付与したものです。
 
例えば、取締役ではない常務は、「役員を名乗っているけれども会社法上では役員ではない」ので、株主総会での承認を経る必要もないわけです。
 
つまり取締役かそうでないか
が、法的な権限の違いであり、
それ以外については社内での序列づけに過ぎません。
 
 
さて近年では、役員人事も含めた企業統治のあり方への関心が高まりつつありますが、これはコーポレートガバナンスコードが施行されたことも影響しています。
 
「経営を透明化し、適正な批判を受け入れられる企業統治のあり方」を原則として定めており「この原則に従うか、従わない場合は従わない理由を説明すること」を上場企業に求めています。
 
くだけた表現にすると
「会社は株主のものなのだから、
株主の利益になる経営体制を心がけ、
経営状況はきちんと報告しなさい。
 
従えばそれが出来ますが、
従わなくても構いません。
 
ただし、従わない場合は、
従わない理由を説明しなさい。」
と定めているわけです。
 
例えば、
「経営を透明化し、適正な批判を受け入れられる企業統治のあり方」原則の一例に、
独立役員を確保すること」という原則があります。
 
独立した立場の役員を会社経営に入れて、
会社が株主にとって不利益になる経営をしていないかを監視させるしくみです。
 
ちなみに、ここで定められている
独立役員とは
一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役」とされており、かなりぼんやりしていますので、
 
会社側の解釈と株主側の解釈では
「独立しているか」という観点で、
見解に違いが出ることがあります。
 
その結果、株主が
 
「独立役員として就任するという議案になっているけれども、取引先の会社の人は、独立した立場の人ではないではないか。原則とは違う。説明しろ!」と主張し、
 
ときには「納得できない。否認!」
というように、コーポレートガバナンスコードを取り出して役員人事を否認する場合もあるかもしれません。
 
 
まとめると、こんな感じです。
 
コーポレートガバナンスコードによって、上場企業は原則通りの運用または株主への説明をきちんと行うことが求められており、世間でその認識が広がりつつある。
 
→これまで以上に、説明のための準備が大変かもしれません。
 ボスが取締役の場合は、ボスの様子を伺い、適切に相談しつつ、総会の前後はスケジュールを詰め過ぎないように。
 
・取締役や監査役は、株主総会での承認を経て就任するが、コーポレートガバナンスコードによる独立性の基準をもとに否認が主張される可能性がある。
→ボスはどんな立場でしょう。
 
 
 国内外で株式投資が活発に行われるなか、投資家は会社が株式にとって不利益になることをしていないか、コーポレートガバナンスコードも視野に入れ、厳しい目を向けるようになると考えられます。
 
さて本題の秘書の働きにどう役に立つかということですが、
 
秘書の仕事は
相手の立場を想像することが仕事のクオリティ向上につながることは多いです。
 
ガバナンスとか原則とか、
私はそういう難しそうな言葉を目にするだけで
サジを投げたくなるのですが、
だからこそ、そういう人にも理解してもらえるように、この記事を書きました。
 
ほんのちょこっと、概要を知っているだけでも
良いと思うのです。
 
立場や状況を想像することに役立てば良いなと思います。
本日は、以上です。

自社の経営状況を簡単に把握できる3つのツール

異動の多い時期ですね。

 
株式会社の取締役は、株主総会での決議により正式に就任します。株主総会の開催時期は、6月前後に集中しますので、ちょうど今くらいの時期は準備期間にあたります。
 
新しく秘書になれと言われる人は、4月〜5月の時期が最も多いのではないでしょうか。
 
 
さて、新任秘書になる方だけでなく、新社会人にも必ず役に立つ情報。それは
 
自社の経営情報です。
会社の方針・目標とお財布状況、事業の取り組みについては、必ずおさえておきましょう。
 
では、何を見れば良いでしょうか。
 
決算の書類を見ればいいよ、とよく言われますが、数字がズラッと並んでいるのを見ると、見る気が失せてしまう人も多いかと思います。
 
例えば、有価証券報告書なら上場会社は必ず出している書類ですが、法律に従って形式的にまとめた書類ですので、会計になじみのない人には、そもそも見るポイントがわかりづらいと思います。
 
 
会計の知識があまりない人が、短時間で簡単に会社の概要を理解するためには、投資家向けの資料が最も役に立ちます。
 
最近は個人の投資家も多いので、プロの投資家でなくても投資判断ができるように、決算のポイントや事業の取り組みをグラフや写真をまじえて、わかりやすくまとめた資料を公開している会社は多いです。
 
具体的には、以下の3つがオススメです。
 
1.株主総会用の招集通知や株主通信
株主向けに発行される簡易冊子。最もお手軽。
入手できる場合は、株主総会のプレゼンテーション資料も参考になる。
 
 
個人投資家用のページを設けている会社は、それもオススメです。
 
 
2.アニュアルレポート
投資家などのステークホルダー向けに、1年間の事業活動報告をまとめたもの。これさえ読めば、会社の方針と決算、事業の取り組みの概要は網羅できる。
 
 
 
3.決算説明会用プレゼンテーション資料
多くの会社で、決算発表後、機関投資家向けに決算の内容を説明する説明会を開き、説明用プレゼンテーション資料をホームページで公開している。直近の決算内容を理解するためには、参考になる。主に機関投資家向けなので、やや専門用語も使われる。
 
オリエンタルグループ(ディズニー)
 
これらの資料は会社のホームページに掲載されていることが多く、誰でも入手しやすいことも大きなメリットです。「IRライブラリー」を設けて、そこで資料を見ることができる会社が多いです。
 
 
これから秘書になる方も、既に秘書の仕事をしている方にも、ぜひ目を通して欲しいです。
 
ボスの行動や言葉の意図をより理解しやすくなりますし、スケジュール調整にも活きてきます。
 
もっとレベルアップしたい方は、関係会社やボスが親しくしている人の会社、競合他社のアニュアルレポートを見ておくと良いと思います。
 
本日は以上です。

ボスのコンタクトをサポート 秘書の交際サポート業務その2(接遇や事務や手配など)後半その1

前回は、「ボスの交際に伴う接遇や事務作業」について

秘書がやることは、「慶弔式典等の対応、書状や贈答の準備、接遇や手配」が主であることと、その仕事は「ボスの人脈を維持・向上する信頼関係を築くためのお手伝い」であると説明しました。

aichi-hisho.hatenablog.com  

しかしながら、実施項目だけを書き連ねても全く頭に入らないと思いますので、具体的にどういう場面でどう行うのか説明していきたいと思います。

 

ボスが貴重な人脈を維持・向上するために、ボスは以下のような行動を相手に示す必要があり、秘書はそれを実際に行う手伝いをします。

 

1.定期的にコンタクトをとる(訪問・来客)

2.会ってもらうときには相手をもてなす(接遇・接待)

3.節目には手紙や贈り物を届ける(挨拶状、歳暮)

4.特別な相手の厚意には都度、感謝を伝える(お礼状)

5.相手の慶弔にはお祝いや哀悼を伝える(メッセージ、花・金、式への出席)

 

プライベートでも、大切な人に対して同じようなことをしますよね。

 

「交際マナーなんて単なる常識じゃないの。」とおっしゃる方もいますが、正式な交際マナーが全て身についている自信がある人以外は、油断せず慎重に取り組むべきです。

常識だわ、と適当に済ませてしまった結果、相手の誤解を招き不快に思われては、逆効果を招きかねません。

 

交際マナーを正確に行うことは、秘書としての専門スキルの一つであり、ボスからアドバイスを求められることも多い分野だと思います。突然、さらに急ぎで対応する必要があることも多いので、注意すべきポイントだけは頭に入れておきましょう。

 

それではさっそく、先ほど紹介したボスの5つの行動にあわせて秘書の仕事を紹介していきます。

本日は、1.定期的にコンタクトをとる(訪問・来客) サポート業務について説明します。

 

貴重な人脈を維持するためには、定期的に相手に会うことが効果的です。初めて会った人と名刺交換をして、その後ずっと連絡をとらなければ、相手のことを忘れてしまいますね。

 

商談や担当者交代などの理由で面会することもあれば、用事がない場合は、いわゆる「表敬訪問」という形で面会を申し出ることもあります。

表敬訪問の例としては、「年末・年始、期末・期初などの節目のご挨拶」「帰国の機会にご挨拶を」「近くに行くので」などのパターンが多いです。

 

秘書の立場から最も重要な判断をすべきポイントは、次の2点です。

(1)ビジネスかプライベートか(代理対応が可能か)

(2)遠方の人や転任挨拶か、それ以外か(今後は会うことが困難になるか)

 

(1)については、代理対応を含めて考えるかを判断します。ビジネスの話であれば、案件を進める必要がありますので、代理や同席を含めて対応を考えるべきです。

一方、プライベートであれば、ボス本人が出なければ意味がないのですが、基本的に緊急度や重要度は高くありませんので、ボスの都合にあわせて日程調整をすれば良いです。

 

ただし、(2)遠方の人や転任挨拶の場合は例外的に優先度が高くなります。

この機会を逃すと会うことが難しくなる人については、ボスとの関係にもよりますが、基本的にはできる限り優先して時間を作る必要があります。経験上、アポなしであっても、ボスが社内で会議中の場合は、少し抜け出して顔見せだけでもすることが多かったです。

それ以外の挨拶の場合は、今後いつでも会えるという点で、そこまで無理して優先する必要はありません。

 

それではこれから、ボスが訪問するときの場合と、ボスへの来客を受ける場合の2つパターンに分けて説明していきます。

 

 

1. 訪問 出張準備

 

1)日程調整

  訪問アポイントの指示を受けたら、まずは以下の3点を確認します。

 

(1)訪問相手と訪問拠点を確認する

失礼が無いように、訪問相手の役職と氏名はしっかり確認します。 名刺や担当部署の管理情報、ネットなどで調べるのが基本ですが、自信が無ければ相手の秘書に聞いてしまっても良いと思います。

大きな会社の場合、拠点がいくつもあるので、相手の勤務地に間違いがないか確認します。同じ会社で複数の人に会う場合は、同じ拠点でも建物同士がかなり離れている場合がありますので、要注意です。

 

(2)相手に伝える用件の有無を確認する 

社会的地位の高い相手であればあるほど多忙になりますし、基本的には時間を「作っていただく」こととなります。

時間を作るに値する優先度の高さを相手に認識してもらうために、どういった内容の話なのかを事前に伝えた方が良い場合もあります。

ただし、案件の確認はあまりしない方が良いケースもありますし(ボスが言いたがらない場合は、詮索してはいけません。)、重要でもあまり明確な内容を言えない場合もあります。そのような場合は、「重要なご相談が」「急ぎご報告申し上げたいことが」などと伝えます。

それで相手からなかなか時間をもらえない場合は、仕方がありませんので、ボスに状況を伝えましょう。必要があれば、ボスから直接、または担当者に指示して詳しい内容を説明するでしょう。

 

 (3)希望の日時や期間を確認する

ビジネスの話をしに行く場合は、タイミングが非常に重要です。「こちらが希望した日時に相手も時間が空いている」という状況は、非常に稀ですので、事前に「いつ頃までに設定する必要があるか」を確認する必要があります。

 

なお、相手に連絡を取ったときに相手の予定とうまく予定が合わず、設定できない場合の対応手段は、以下3つです。

 

・場所や日時の選択肢を増やす

・相手に事情を伝えて時間を空けてもらう

・どちらか代理で対応することを検討する

 

相手から避けられているかもしれない、しつこくすると良くないかもしれない、と思った場合は、「どうやらお忙しいようですので、少し時間を置いて落ち着いた頃にまたご連絡を入れる形でもよろしいでしょうか。」とボスに提案してみるのもヨシ、です。

 

2)ボスの意向確認と手配

訪問日時が決まったら、あとは以下3点を確認します。

 

 (1)同行者の有無と持っていく資料

同行者がいる場合、同行者が段取りと手配を行うことが多いです。実際に現地に同行する人がやってくれるなら、お任せしましょう。 

基本的には、同行者や資料作成を秘書で勝手に決めることはしません。ただし、例えばボスに「いつも事前に指示しないけれども、直前になってから同席や資料の指示をする」クセがあり、それで困っているという場合は、あらかじめ秘書から担当部署に連絡しておくことで、仕事が円滑になります。

秘書から勝手に指示をしてはならないのが基本ではありますが、このようにボスの仕事の仕方を踏まえて気を回すことは、秘書の大切な働きの一つです。

 

(2)希望の交通機関と希望の宿泊先

私の場合は、まずは自分で交通機関と宿泊先の候補をピックアップして、旅程を作成してみてから、ボスに報告して確認をとっていました。白紙で尋ねられるよりは、たたき台を確認する方が楽ですよね。

交通機関予約のポイントは、喫煙の有無窓側・通路側の希望グリーン車か普通車か時間の余裕をどれくらいみるか。

宿泊先予約のポイントは、アクセスの良さのほか、喫煙の有無コスト意識ベッドサイズサービスへのこだわり、朝食を付けるか。本人のお気に入りがあれば、そこを予約すればよいでしょう。

おそらく多くの秘書は、秘書になった初期にそういったポイントを確認してメモしておき、その基準で手配を進めていきます

 

(3)希望の手土産

ボスが必要だと判断すれば、手配します。しかし、「ボスが毎回、直前になってから手配が難しい手土産の指示をする」という場合は困りますよね。

私の場合、相手側へ面倒なお願いをしに行く場合や、相手の厚意を受ける場合は、手土産の手配を指示されるパターンが多かったので、自分からボスに確認をしていました。

 

3)細かい手配と準備

 

一般的には、日程表を作成し、面会の時間・場所・メンバー(初めての相手であれば略歴も事前に入手)・持参資料や手土産等の手配内容を記載してボスに渡します。

最近はクールビズも一般的になってきていますので、面会相手や同行者の秘書や担当者同士であらかじめ連絡を取り合い、ドレスコード(ネクタイ・ジャケットの要否)を確認した方が良い場合もあります。

初めての訪問の場合は、セキュリティの対応方法を含めた入館方法や受付の方法も確認しておきましょう。車で行く場合は、駐車場への入場方法や運転手の待機方法もあわせて確認します。

今はネットで調べることができる情報も多いですが、相手の会社のことは相手の秘書にまとめて確認するのが楽です。コミュニケーションの一つだと思って、どんどん相談してください。聞かれる方もだいたい慣れていますので、大して迷惑でもありません。

   

なお、電車を利用する場合は、駅構内も含めてアクセスルートを確認しておきましょう。最寄り駅にタクシーが常駐しているか不明な場合は、それも相手の秘書に聞いてください。あと、意外と忘れがちなのが、同行者との集合場所の確認。面倒ですが、「○階の受付に○時に集合」など、細かく決めておいた方が良いです。怠るとボスたちが迷子になります。

 

 

2.来客 来客受付

 

1)アポイントを受ける

ボスあての面会依頼を受けます。

ボスにとって優先度の高い面会依頼は、ほかの予定をキャンセルしてでも受けます。優先度は、緊急度とボスにとっての重要度で決まります。「既にある予定を動かすのは面倒だから」「秘書と仲良しだから」という理由は、理由になりません。

最初に書きましたが、アポイントを受ける際に、以下2点は必ず意識します。

優先度や対応がわからない場合は、以下2点についてきちんと把握した上で、ボスに確認をとりましょう。

  1. ビジネスかプライベートか(代理対応が可能か)
  2. 遠方の人や転任挨拶か、それ以外か(今後は会うことが困難になるか)

 

2)来訪者の取り次ぎを行う

その時の状況に応じて、ボスに取り次いだり取り次がなかったりします。

自分で考えると難しいですが、基本パターンを頭に入れておけば、そんなに難しくありません。

 

(1)アポイントの有無を確認する

(2)アポイントありの場合は、ボスに取り次ぐ

(3)アポイントなしの場合、下記パターンで対応する

 

・ビジネス案件の場合または案件が不明の場合

 ボスに確認をとれる状況であれば、確認をとる

 ボスの都合がつかない場合、来訪者に代理で良いかを確認する

 

・プライベートの場合

 ボスに確認をとれる状況であれば、確認をとる

 ボスの都合が悪ければ、基本は諦めていただく。ただし、せっかくご足労いただいたのにお断りするので、こちらから連絡を取って相手の都合に極力合わせる形で再度日程調整を行う

 ただし、遠方からのお客様など滅多に会うことができない相手の場合は、通常よりも、なるべく取り次ぐ方向で確認をとる。

特に、転任の挨拶の場合は優先。取締役会などの重要会議の場合をのぞき、社内にボスがいる場合はすぐに確認する。ボスに忙しい、体調が良くないといった理由で取り次がないように言われていたとしても、転勤の挨拶は短時間で済むのが一般的なので、取り次ぐ方向でボスに確認をとる。

 

本日は、以上です。

マラソン大会とおもてなし

おはようございます。


最近、なかなか新しい記事を更新できていないのですが、次の記事は時間がかかってしまっています。
 
交際実務は、秘書にとって最も勉強が必要なところなので私は参考書などで勉強しましたが、単なる知識の詰め込みになると非常にツマラナイところではあります。
 
実際の秘書の仕事に関しては、ボスの目的や動きに連動しているので、そこを想像しやすいように書きたいなぁと思って、何度か書き直ししながらゆっくり書いています。
 
誰かが「早く更新して欲しい」なんてコメントくれるなら、がんばりますけれども。
 
 
話は変わりますが、週末は鹿児島マラソンで42.195kmを走ってきました。
 
フルマラソンが秘書の仕事に必要というわけでもなく、毎日走っているとかストイックに体を鍛えているとかいうわけでもないのですが、学生時代にサークルの先輩に騙されて走って以来、なんだかあの「楽しいイベント感」に魅せられて、ちょっとしたリピーターになりました。
 
これまで学生時代や会社の仲間とちょくちょく出ていたのですが、さすがに周りに子どもがいる世帯が増えてきたので、今回は1人で参加。
 
ちょっと寂しいかしらと思ったのですが、意外と大丈夫でした。当然ながらマラソンは1人で成り立つスポーツなので、1人参加の人は珍しくないのです。
 
今回出場した鹿児島マラソンは、記念すべき第1回目の大会。1万2千人もの人が出場する大きなイベントで初回にも関わらず、行き届いた実に素晴らしい運営でした。
 
42.195kmってなかなかの距離ですが、走っているときには常にスタッフが視野に入っているほど多くのスタッフがいて、非常に安心感がありました。
応援も、いくつもの地元の学生団体が素敵な演奏や踊りを一生懸命に披露してくれて、ボランティアスタッフだけでなく自主的に応援してくださる住民の方もたくさんいらっしゃり、最後まで楽しい気持ちで完走できました。
 
運営の質、応援の人数や一生懸命さを考えると、数あるマラソン大会のなかでオススメ度はトップレベルだと思います。
 
自分の経験でいえば、いわゆる都会の大会におけるソツのない運営と比較して、いわゆる田舎の大会の運営レベルは決して劣ることはなく、声援や沿道補給から受けるおもてなしの印象に至ってはむしろ「感激」レベルであることが多いです。
 
鹿児島マラソンは、選手ランナーにもゆっくりランナーにも配慮が行き届き(美味しい補給食も行き届き)、単独参加者も老若男女問わず楽しめ、素晴らしかったです。
 
 
さて、秘書の仕事において「ソツのないレベル」つまり、問題の対処まで含めて全てがスムーズに対応できるレベルというのも、なかなか大変なものです。
 
さらに「感激させるレベル」というのは、通常できる予想を遥かに上回るレベルですが、これは大変難しいです。
状況によっては、ボスからそのレベルを求められる場合もあります。
 
最も心に残る強烈な後味の良さは、会った人の姿勢や行動から受ける印象からくるものかなぁと思います。
丁寧さだったり、親切さだったり、助かったり、あたたかさなものを感じて心が動く感じ。
 
 
良いおもてなしをするためには、良いおもてなしを感じることも良い勉強になります。
 
鹿児島マラソンには、フルマラソンのほかに短い距離の大会もあります。しかし、自分がギリギリの状況になってこそ感じられるものがありますので、迷うならフルがオススメです。
 
ちなみに鹿児島のいぶすき菜の花マラソンもオススメです。日本で最も制限時間のゆるいフルマラソンなので、途中で写真を撮ったり、神社にお参りしたり、食べ物の列に並んだりと、マラソンというよりも楽しいイベントです。
 
沿道で地元の方が出してくださる食べ物が美味しくて、マラソンの後は体重が増えることもあるほどです。近くの砂むし温泉も最高です。
 
来年ぜひチャレンジしてください。
 
 

秘書とバレンタインデー

秘書になったら、きっと迷うであろう「バレンタインデー」の対応方法。実際の一つの事例が参考になることもあるだろうと思ったので、書いてみました。

結論から言えば、私も私の知っているほかの会社の秘書たちも、バレンタインデーにはボスに贈り物をしているようです。そして、みんなそれなりに喜ばれて、それなりにお返しをいただいているとのこと。迷ったら渡せば良いと思います。

担当秘書だけで渡す人もいますし、私は日頃ボスにお世話になっている部署の女性たち数人で、共同プレゼントをしていました。

ただし、一律でバレンタインが禁止されている拠点の秘書は、何もしていないそうです。ルールに従うことも大切。

 

では、どんなものを渡しているのか。気になるソコを紹介します。

ボスの好みがわからない場合は、ボスの家族をターゲットにします。秘書であれば、ボスの家族構成くらいはわかるので、それをもとにして、ボスの家族が喜びそうなモノを選ぶわけです。秘書がつくようなボスは、小さいお子さんがいない場合も多いと思うので、奥様をターゲットにすれば間違いないです。ちなみにホワイトデーのお返しは、奥様が用意されることも多いようです。

この時期は百貨店に世界中のブランドチョコが集まりますので、困ったら百貨店に行きましょう。普段から百貨店に入り浸っていれば、珍しくてバレンタインにしか手に入らないようなモノもすぐにあたりがつくと思いますが、わからない場合、流行に乗ったり、色や形の綺麗なモノを選ぶと無難です。外商の人や店頭の人に相談しても良いと思います。

予算は秘書によって違いますが、だいたい1,500円〜6,000円の間でチョイスしているようです。

ボスの好みがわかっている場合は、好みに合うものを選べばOKです。ボスが単身赴任で甘いものが好きではない場合、お酒をチョイスした秘書がいました。

例えば私の場合は、ボスとボスの奥様が大好きな和菓子屋さんがありましたので、そこの和菓子をチョイスしました。

バレンタインといえばチョコがメジャーではありますが、最近はチョコ意外でもバレンタイン仕様の商品を出すところが増えてきました。和菓子でもバレンタインらしさのある商品を選べば、バレンタインの贈り物として素直に受け入れていただけるようです。

 

私がチョイスしたのは、松華堂菓子舗のバレンタイン和菓子ケーキ。

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可愛いですよね〜☆見た目だけでなく、味も本格的です。松華堂さんの生菓子は、茶道をする人たちの間でも全国的に有名ですが、このケーキは全部その生菓子でできています。

甘さは控えめで上品、繊細な味わいです。着色料以外の食品添加物が使用されていない分、賞味期限は2日と短いですが、自宅でお子様と一緒に楽しんでいただけます。

小サイズ(直径10㎝程) 1,650円

大サイズ(直径14㎝程) 2,700円

なんと意外とリーズナブル。ただ、この和菓子ケーキは2日前までに注文しなければ買えません。いいなぁと思った人は来年どうぞ。

注文は、電話とFAXで受けてもらえますが、生モノなので、配送は基本できません。JR半田駅から200mほどに離れた場所にある店頭に取りに行きます。

ちなみに私は、ボスの誕生日にも、ここの和菓子ケーキを差し上げたことがあります。サイズは大サイズのみになりますが、プレートに名前を入れてもらったり、ボスの好きな色や形で作ってもらうなどのオーダーメイドが可能です。

商品写真は、松華堂さんのFacebookページをご覧ください。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1031069276965835&id=323062821099821

ちなみに、ホワイトデーのお返しを秘書が選ぶこともあります。指示があったら用意して差し上げましょう。

ホワイトデー仕様で和菓子ケーキを作ってもらうのもアリですね。

 

松華堂のホームページはこちら

http://handa-shokado.co.jp

生菓子をのぞいた一部商品は通販でも購入できます。

本日は、以上です。

秘書の交際サポート業務 その2(接遇や事務や手配など)前半

前回はボスの交際お手伝いの仕事のうち、情報管理について詳しく説明したので、今回は「2.交際に伴う接遇や事務作業」について。
 
まずは2点、やることとお仕事の目的について解説します。
具体的な対応方法は、次回です。
 
(1)やること
 
慶弔、式典等イベントの対応
挨拶状やお礼状、贈答の対応
接待の手配来客時の接遇
 
仕事の内容から秘書を想像させる「秘書らしいお仕事」です。成果が形になり、お客様から見えるところなので、ボスの印象に直結することを意識して取り組みます。
 
 
 (2)目的
 
ボスが、人脈の質をビジネスで使えるレベルで維持・向上するために、信頼関係を築いていくサポートをすることです。
 
秘書は主に、「ボスが相手を尊重する姿勢を示す」ことをサポートすることで、信頼関係構築をお手伝いします。
 
個人的な感想ですが、「社会的地位の高い人は、ほぼ例外なく礼儀や心遣いを大切にする」と感じています。
 
例えば、お礼やお詫び、慶弔、接遇に丁寧な対応をすることは、「相手のことを尊重している気持ちを形にしたもの」ですが、多くのエグゼクティブは忙しさを理由にせず、きちんと対応します。
 
相手にとって嬉しいことや悲しいことがあったときにはそれを共有し、相手が時間や手間、コストを割いてくれたときや心遣いをしてくれたときには感謝をし、お詫びをすべきときにはしっかり誠意を示す。
こういったことを積み重ねることによって、相手との信頼関係を築いていきます。
 
ビジネスで相手と協力するときに、人間同士の信頼関係が大きなメリットになります。
ビジネスは、規模が大きくなるほどリスクも大きくなり、慎重になります。また、これまでの取り組みになかったような新しいことを始めるときにも、慎重になります。そのとき、その話を持ってきた相手と信頼関係が築けていないとなれば、なかなか踏み出せません。そういった場合、商談を断る確率は高いのです。
 
そこで、相手との信頼関係や、「信頼関係のある人からの紹介」は、相手の躊躇を破る一つの武器となります。人脈が貴重と言われる理由は、そこにあります。
 
 
信頼関係は、地道な積み重ねです。実際に行う一つ一つの作業は、こまごまとした雑務が多いので、「秘書なんてただの雑用係だわ」と思うこともありますが、小さな雑用も含めてボスの印象に大きな影響を及ぼすところなので、丁寧に取り組みます。
 
 
本日は、以上です。
次は、具体的にどういうときにどういう対応をすればよいのかを紹介します。
 
【ボスの人間関係を秘書がサポートすることについて】

【情報管理による交際サポートについて】

aichi-hisho.hatenablog.com

 

 

秘書の交際サポート業務 その1 (情報管理)

ボスのために人間関係構築をサポートするお仕事を大きなくくりで3つあげました。 
 
今回は順番に、それぞれの目的とやること、対応の方法を紹介していきたいと思います。
 
 
1.交際関係情報を管理
 
  5つの項目で説明します。
 
(1)やること
 
面会履歴、連絡先、名刺の管理
・昇格や転任、退任などの人事情報チェック
 
 
(2)目的
 
ボスが仕事上で名刺交換をするようなVIPの連絡先は、一般的にはあまり公開されません。つまり、ボスの名刺は、お宝の一つです。
 
しかし、いくら貴重な情報でも、どこにあるか見つけるのが大変だったり、本当に今もその情報で正しいのかわからなかったりすれば、実際に活用することはできません。つまりゴミ。
 
「貴重な人脈情報を宝として活用するためにも、必要な情報を必要なときに活用できる状態にしておく。」それが、このお仕事の主な目的です。
目的達成のためには、情報の探しやすさと情報を新しい状態に保つことを心がけます。
 
 
(3)活用例
 
それらの情報をもとに、必要なときに相手に連絡をとったり、招待状などの書状を作成したりするときに活用します。
なお、名刺裏のメモ書きやデータを活用し、面会履歴や紹介者、その人自身の特徴などの情報をひもづけることによって、さらなる活用が可能です。
 
例えば、ボスが相手のことを思い出したり、会う前の事前情報となったり、接遇や接待の対応を決めるための参考情報となったりします。
 
この積み重ねによって、相手に対するきめ細かい配慮や対応をするためのツール、つまりボスが相手とより良好な人間関係を築き、信頼を得るための協力な武器となります。
 
 
(4)管理方法
 
アナログだと、名刺を冊子やボックスで整理します。オススメはボックスです。出し入れや入れ替えが簡単ですし、新しいものを手前に入れていけば、面会頻度もわかりやすいです。
 
アナログのメリットは、名刺そのものを管理するので、間違いがないことと消えないこと。デメリットは、探しにくさ
 
個人名別か会社名別かなど、上司とよく相談して一定の基準を決めたうえで整理しますが、探すときにも、そのときに決めた基準でしか探すことができません。
例えば、個人名順だと社名や肩書きを基準にして探すことができませんし、会社名別だと、会社を兼任している人が探しにくいなどの欠点があります。
 
一方、データ管理の場合は、様々な検索条件でのアクセスができます。しかも、付随する多くの管理情報を一括で管理し、あらゆる基準で必要なデータを取り出すことが可能です。
 
データ入力する場合は入力間違いが心配ですが、名刺を捨てずに残しておいたり、名刺画像をそのまま読み込んで管理できるアプリなどを活用したりするなど工夫すれば、欠点を克服できます。
 
ただし、管理方法は、あくまでもボスの意向に従ってください。データ管理が便利であっても、ボスがアナログを好む場合は、アナログ管理をしましょう。ボスが自分で管理したいと言う場合、秘書は触りません。
「ボスの」情報管理のお手伝いだからです。
 
 
(5)情報の更新
 
情報は常に新しい状態を保ちます。
例えば、同一人物の名刺が複数あるときには、だいたい電話番号や肩書き、住所の変更があります。古いものを残しておくと、どちらが正しい情報かわからなくなるので、裏のメモ書きなどを新しい方に書きうつし、古い方を捨てます。
 
なお、昇格や転任、退任などの人事情報にはアンテナを張り、持っている情報の更新をするようにします。
 
取引先や関係会社の人事情報は、部署の担当者から入ってくる場合も多いですが、ボスはそれ以外にも多くの人間関係を抱えます。できる限りボスの人間関係を頭に入れておき、ニュースや新聞、ネットで人事情報をキャッチできるとベターです。
 
日経のネットサービスで人事情報を通知してくれるものもあり、とても便利です。ボスのニーズがあれば、「ボスが更新された人事情報をキャッチし、必要に応じて指示する」といったことを提案してみても良いかもしれません。
 
 
 
本日は、以上です。
以下の2つは、次回以降に紹介します。
 
 
2.交際に伴う接遇や事務作業
・慶弔、式典等イベントの対応
・挨拶状やお礼状、贈答の対応
・接待の手配や来客時の接遇
 
3.ボスへの対応
・ボスの感情的な行動や体調への対処