フィリピンでは電車で席を譲られる
唐突ですが、4月にフィリピンのマニラへ行ってきました。また安い旅。
名古屋から、LCCのジェットスター航空直行便で、片道なんと約4時間です。
セール中に購入したため、行きの運賃が999円。帰りが9,800円、燃料サーチャージなし。最前列通路側の座席を指定し、空港使用料、空港への往復などを含めても、2万円でお釣りがもらえました。
休みをとらず土日を利用して行きました。(金曜日の深夜に名古屋を出て、土曜日の早朝にマニラ到着、1日観光して、その日の深夜にマニラを出発し、日曜日の早朝には帰着。) もう電車やバス並みの手軽さです。
ボスの予定にあわせて休みをとる秘書も、土日で行って帰って来れるなら行けますね!
日本にまだLCC(ローコストキャリア、格安航空)が就航する前には、貧乏旅行で「青春18きっぷ」というJR普通列車乗り放題のチケットをよく利用したものです。
金額は1回あたり2400円弱で、途中下車が好き放題できますし、始発で名古屋を出発すれば日付が変わる前には博多に到着できます。
(大阪を過ぎてから博多までは、鈍行しかなかったり、接続がスムーズではなく、乗り継ぎに1時間くらいかかったりすることもありますが、それも味わいがあったりします。)
移動は速ければ良いかと言えば、そうではなく、ときどき止まりながらゆっくり進む旅も、私は好きです。
クルマよりも電車、自転車、徒歩の方が、その場所の細かいところまで観察することができます。
気温を感じ、音を聞き、人の流れや表情を見ながら歩き、ときに触れたり食べたり、お喋りしたりしながら、ここで暮らしたらどうかなとか、どうやって食べていこうかなとか、想像するのが好きです。
話をフィリピン旅行に戻すと、今回の滞在では、現地で働く案内人と一緒にマニラ中を散歩してまわりました。いろいろと観察したかったからです。
ところが、フィリピンはとんでもなく暑くて、外ではあまりの暑さに、気候に慣れているはずのフィリピン人も顔をしかめていました。
仕方なく途中で散歩を諦めて地下鉄に乗ることにしました。マニラの地下鉄は日本製で、なかなか綺麗です。
乗ったらね…
男性が一斉に席を譲りはじめました。
私も目の前の男性(わりと年配)から席を譲られ、「どうしよう、ピチピチの私が…」と戸惑っていたのですが、
案内人によると「フィリピンでは女性に席を譲るのが普通」なのだそうで、遠慮なく座るべきだと言われたので、ありがたく座りました。
確かに、私が座ったあとに周りを見渡すと、立っている女性は1人もいませんでした。日本では経験したことがないので、驚きでした。
ちょっと考えてみると、女性は見た目でわからなくても妊娠している可能性があるんですよね。
特に妊娠初期はツワリで苦しむ人が多いですが、お腹が大きくなっていないため、見た目での判別が難しいです。しかも安定期に入るまでは流産のリスクもあり、デリケート。
妊婦の友人は、気分が悪くなったときに席を譲ってもらわなければならないからと、妊娠中をアピールするキーホルダーを密かに身につけていました。
日本ではそうでもしなければ(ときにそれにすら気づいてもらえず)、妊娠可能な年齢の女性が席を譲ってもらえることは滅多にありません。
私は日ごろ通勤で電車を利用しますが、下心なく若い女性に席を譲る姿などほとんど見ないです。
「若い女性=妊娠の可能性」という意識は、みんなあまり持っていない様子。
フィリピンでは、どんどん人口が増えています。実際に街を歩いてみて、活気というか、これからどんどん栄えていくエネルギーのようなものを感じました。
http://ph-walker.com/フィリピンの人口が1億人突破%E3%80%802023年に日本を超/
一方、日本では出生率が低下し、たくさんの老人を少人数の若い人が支える構造になってきています。
政府が「子育て支援をする」「女性の活躍を推進する」と宣言し、企業がさまざまな支援制度を取り入れつつあります。
「妊娠している女性を守ろう。女性は妊娠しているかもしれないから、電車で女性を見たらとにかく席を譲る。それが普通。」
という意識を、みんなが持つようになれば、電車以外の場所での配慮もできるようになるかもしれない。と思うのですが。
ちなみにフィリピンでは、女性に席を譲るのが普通とされていながら、働く女性も多く、女性管理職も多いそうです。
本日は、以上です。