秘書の仕事にハマった愛知移民

勝手に秘書に任命され、泣きながら始めたものの、いつの間にか秘書の仕事にどっぷり。ただ今後、担当者として会社の本業に深く関わるお仕事をしてみたかったので、2015年6月、ボスの引退とともに秘書業を卒業しました。これから秘書になりたい人や、突然秘書になれと命令された人のために、秘書の仕事で得たものを書き残します。ちなみに手土産になるお菓子リサーチは、もはや趣味でやるノリになってしまったので、今後もゆるゆる続くと思われます。気が向いたら紹介していきます~

秘書の5年後

秘書の仕事は、1年で習得できます。

 

3年くらいで想定されるあらゆるパターンを経て、こんな感じになってきます。

 

・何かが届けば反射的に分別するようになり

・タイピングの速度に磨きがかかり

・依頼するときには誰からどういう根回しをしようか策略を練るようになり

・案内状やお礼状、電報なんて朝飯前だし

・電話では話したことがあるのに顔を知らない人が増え

・社内での知名度が高くなり

・なぜかプライベートの旅行や食事でも企画や手配を引き受けることが増え

・確かにだいたいのスケジュール案は一瞬で頭に思い浮かぶし

・上等なお菓子をたくさんいただいて、美味しいお菓子をたくさん知り

・行ったこともなかった高級レストランや高級ホテルをたくさん知り

・身なりの良い紳士をたくさん目にすることで、スーツや靴の仕立てやセンスの良さがわかるようになり

・優秀なトップマネジメントと接する機会が多いので、男性への理想像がいつの間にかハードル高くなっていたり

・秘書同士でのひしょひしょ話を楽しむようになり

・ちょっとしたトラブルが起きても、なぜか落ち着いているし

・上司に使われている身分だけど、むしろ上司ルートを利用して仕事をしているような気が…

 

では、それ以降は?

それ以降は、秘書としての一般的なスキルが上がるというよりは、ボスとの信頼関係が深まります。

 

年月とともにボスとの信頼関係もより深くなっていきますので、あらゆることを頼まれやすくなります。つまり、秘書に任される範囲が広がります。

 

私の印象だと、仕事とプライベートをきっちり分けているエグゼクティブは少数派です。

プライベートでの付き合いも仕事に活用したり、仕事での相手とプライベートでも付き合ったりします。つまり、仕事の場を離れた(あるいは、そのように見える)ところで人間同士の信頼関係を築き、その上で仕事をしているパターンが多いのです。

公私混同と言うと、私利私欲に走っている悪いイメージがありますが、どちらかといえばプライベートも仕事に捧げている方での公私混同が多い印象です。

 

そういうことで、秘書の仕事に関しても「どこまでが秘書の仕事か」というのは難しく、結論としては「ボスのプライベートの手配も、一定の範囲では秘書の仕事として考えてよい」と思います。

 

ただね

 

定期的にボスの愛人とのデート用にスケジュールを調整してレストランを予約する秘書さんがいたり

 

 土日もボスのメールに付き合わされる秘書さんがいたり

 

ボスに出す飲み物について、レシピや銘柄、量を本人から事細かに指示される秘書さんがいたり

 

あまりにも仕事と離れていると思うこともあるけど、ボスのモラルとか秘書との信頼関係の度合いによります。一般的なスキルとして何かが向上するかといえば、そうではないですが、年数が長いということは、それだけ問題なく秘書として働けていた証ですので、それはそれで次の仕事に向けて良いアピールにもなります。

 

さて、大学を卒業して22歳で就職したとして、仮に5年間働くとすると、27歳。結婚・出産の適齢期。

 

私もそろそろ子ども欲しいかなぁと思っています。

 

秘書のスキルは、プライベートにも役立つので、主婦としてもそれを発揮できるのですが、まったりサラリーマンのダンナから「主婦よりもダブルインカムの方が魅力的だ」と言われ

 

小学校にあがるまでの間のためだけに退職し、自分の趣味や仕事の場を失うのも勿体無いので、産休や育児休暇、保育園、ダンナを積極的に利用して、子どもを育てることができたら理想的だなぁと思います。

世間の先輩ママたちには、大変だよって言われるけど、まずはがんばってみようと。

 

先ほど「秘書は3年で一般的な仕事を覚え、あとはボスによる」と説明したとおり、3年くらいやれば1つのスキルになります。

専門職としての転職や派遣の登録をするなら、ちょっと勉強して秘書検定も取得すれば、スキルをよりアピールできます。

 

ちなみに、スキルは「合わせ技」が強いです。

英語ができる秘書、会計スキルを持つ秘書、パソコンの特殊スキルを持つ秘書など、2つ以上の合わせ技がほかとの差別化になり、活躍の場を広げます。

1つだけのスキルだと、ほかにもできる人がいたとしても、2つになると、その両方をできる人の人数は一気に減るからです。

 

なお、秘書としての仕事を卒業し、別の仕事の担当者として同じ会社で働き続ける私のようなサラリーマンは、「秘書としてのスキルを持つ●●担当者」になるわけですが、これもその1つ。

 

秘書は、社内の組織やあらゆる制度、申請や運用をよく知ることになりますし、各部門長や秘書たちとはよく知った間柄です。また、仕事ができるやり手の人たちの仕事の進め方や資料をたくさん見ています。

そういうことで、あらゆるルートや手回しを活用し、積極的に仕事を進めていくことができるのは強みの1つになります。

 

会議や式典の企画や段取り、お客様の対応など、手配スキルを活用できる場もたくさんあります。

上司が忙しいときに、上司の指示が曖昧なときに、どんな確認が必要になりそうか、どこまで確認すべきか、を把握しようとする姿勢ができています。

 

秘書の仕事を長く続けていると、「自分にはもう秘書以外の仕事ができないんじゃないか」と言う人もいますが、そうでもないです。

 

合わせ技により、自分独自のスキルを作るためのステップだと捉えて、どんどん活躍していけば良いと思うのです。

 

5年後、私サラリーマンママやれているかしら…