秘書の仕事にハマった愛知移民

勝手に秘書に任命され、泣きながら始めたものの、いつの間にか秘書の仕事にどっぷり。ただ今後、担当者として会社の本業に深く関わるお仕事をしてみたかったので、2015年6月、ボスの引退とともに秘書業を卒業しました。これから秘書になりたい人や、突然秘書になれと命令された人のために、秘書の仕事で得たものを書き残します。ちなみに手土産になるお菓子リサーチは、もはや趣味でやるノリになってしまったので、今後もゆるゆる続くと思われます。気が向いたら紹介していきます~

手土産の選び方(高級なだけでなく)

先日、手土産の具体的な選び方のパターン5つを紹介しました。

1.高価格 (自分で購入するには贅沢なもの)
2.入手困難(期間や地域の限定物など、希少価値が高いもの)
3.好み(本人が好きなもの、こだわり)
4.便宜(家族のご機嫌とりなど役立つもの、処分や保管に困らないもの)
5.話題性(話のネタになるもの)

また、高価なだけでは、贅沢に慣れている人には喜んでもらえないことと、高価すぎるものを渡すことが相応しくない場合もあるということを述べました。

そこで、2.入手困難という項目を加えます。
これは、「受け取る人にとって入手困難である」という意味です。
例えば、地域のもの。受け取る相手が東京に住んでいて、自分が愛知の場合は、愛知を中心とした東海地方のお土産を持参します。海外の人には、海外ではなかなか手に入らない日本のものを持参します。相手との会話のつかみにもなりますので、非常に良いと思います。

または、季節のもの。幸い、日本には四季があります。季節を先取りしたものを差し上げた場合は、相手はその年になって初めて貰ったものである可能性が高いです。差し上げるタイミングでは入手しやすいのですが、一年のうち3/4の期間は手に入らないわけですので、「またコレか〜飽きたよ〜」となる可能性は低いわけです。こちらも相手との話のつかみになる可能性が高いですし、季節らしさのあるものをまさにそのタイミングでもらって嬉しいものでもあります。

販売日や販売数が限られているものは、差し上げる側も入手が難しいので、相手を思う気持ちは、しっかり伝わると思います。ただし、入手困難なものをわざわざ手配するということが相応しくないシチュエーションもありますので、要注意。「こんな手土産の手配に手間かけるくらいだったら、ちゃんと仕事しろ!」などというコメントをいただかないよう、状況を考えて選びしましょう。

とはいえ、もらう人にとって興味がないものだと、猫に小判 となってしまいます。

そこで、重要なポイントが、以下3つ。
事前に確認しておいた相手の情報をフル活用します。
3.好みやこだわり
4.便宜(家族のご機嫌とりなど役立つもの)
5.話題性(話のネタになるもの)

3.好みやこだわり
相手の好きなもの、ハマっているものがわかるなら、それを基準に選びます。新しいものか伝統的なものか、上品なものかジャンキーなものか、カジュアルなものか格式のあるものか、など。健康志向の方も多いので、カロリーや甘いもの、塩分、油、食品添加物などを控えていないか、という視点も重要です。

ちなみに、海外に何か持っていく場合は、その国の宗教や文化を考慮して選びましょう。別の機会に詳しく書こうと思います。

あとは、細かいのですが、「どこで買うか、買ってはいけないか」まで横目で確認しておくことも大事。百貨店や系列店、ブランドやメーカー、いろんな見方がありますね。
会社だと特に、取引関係や歴史的な背景などで、自社で積極的に使うべきところがあったり、相手方の会社でNGなところがあったりすることもあります。ここまでやる人は少ないのかもしれませんが、念のため確認しておくことが、トラブルを未然に防ぐことになります。地味ですが、トラブルの少ない秘書は、見えない努力で見えないパフォーマンスの差を作っています。

4.便宜
この視点は、わりと重要です。
相手がもらって困らないか、役に立つか。
もらって困らないものといえば、食べ物などの消え物です。困るものは、食べきれないもの、アレルギーや好みでないもの、使わないもの、手間がかかるもの、などでしょうか。

例えば、超多忙なエグゼクティブは、毎日のように接待があり、なかなか家族との時間を過ごせない方も多いです。寂しい思いをしている家族にお菓子でも持ち帰ってやりたいが、なかなか買いに行く時間もない。そんな方のためには、ご家族が喜びそうな手土産をチョイスします。
相手が単身赴任の方だった場合は食べきれないなど困らせてしまうので、確認しましょう。単身赴任の方には、1人暮らしで活用していただけそうなものや、賞味期限の長い食べ物がおすすめです。
相手が家族と同居かわからない場合は、賞味期限の長い個包装の食べ物が無難です。

会社訪問のときのお土産の場合は、だいたい社内でシェアすることになると思いますので、お菓子などが良いと思います。数がたくさん入っていて個包装だと、便利です。女性のいる職場だと、女性を中心にわけることになると思いますので、女性ウケしそうなお菓子が良いと思います。
オシャレなものや高級なもののほか、旬のものや流行、面白いものなど、話題性のあるものだと、社内でシェアするときに盛り上がりますよね。

もらって困るものの代表は、手間がかかるもの。
手間がかかるものといえば、代表は生花や鉢植えの胡蝶蘭などでしょうか。手土産というより贈答品ですか、まぁ正直なところ迷惑です。1つくらいなら良いですが、貰う方は大抵、たくさんの方からいただくので飾る場所に困るし、手入れの手間もかかるし、贈らないで欲しいです。あれの大きさ、知ってます?1人暮らしの冷蔵庫くらいの大きさの段ボールが届くんですよ。手配する側は、花屋に適当に手配してるんでしょうけど、受け取り側は大変です。ヤメテ!!
もらって嬉しかったのは、プリザーブドフラワーです。手入れなしで数年間、綺麗に鑑賞できますし、ドライフラワーと違って色や質感が生花と非常に近いです。生花を加工したもので、ウエディングブーケにも使われることがあります。高価なので、サイズは小さくなりますが、むしろその方が飾りやすいです。私のボスも、胡蝶蘭が届くたびに困っており、プリザーブドフラワーはお気に入りのようでした。

あと、冷蔵品にも要注意。相手は数日後まで帰宅しない予定かもしれないし、直後に長期出張があるかもしれない。冷蔵庫に入らないかもしれないし、そもそも冷蔵庫が無いかもしれない。
賞味期限が一週間以内のものなどを送る場合は、あらかじめ相手の秘書に長期出張がないか確認しておくのが吉です。サプライズしたかったら、本人にはナイショでお願いしますと相手秘書にお願いしておけば良いでしょう。出張直前だったら、発送日を調整したり、自宅に直送した方がよさそうなら、あらかじめそういう話をつけたり、相手の都合に合わせて贈り物ができるはずです。
ついでに、相手のためにも送り先を、失礼のないように役職もきちんと確認しておいてください。大きな会社だと特に拠点が多いので、送り先の拠点を間違えると受け取り側が大変です。異動の時期だと、届くタイミングでは既に役職が変わっている可能性もあります。「宛先は◯◯支店××部、お役職は代表取締役副社長 で間違いないでしょうか。」の一言で、未然に防げるトラブルがありますよ。

基本は常温保管が可能で賞味期限が長く、あまり大きすぎないものを贈ること、そうでない場合は、あらかじめ相手秘書に確認するようにする。送り先や役職もあわせて確認。よろしくお願いします。

相手に直接渡す場合は、持ち運びすることを考えて選ぶことが重要です。大きさや重さは、相手がどういう交通手段で、どれくらいの時間をかけて持ち帰るのか、想像して選びましょう。大きさの目安として、箱の面積はA4サイズより小さくおさめる、という感覚でしょうか。あと、ボス自身の持ち運びについても考えてあげないと、ボスが荷物まみれになりますよ。私は失敗して、海外出張するボスのスーツケースをお土産だけで埋め尽くしそうになったことがあります。数も考えて容積を計算しなきゃダメです。
逆に、ボスが庶務車で移動し、相手の自宅や相手の会社に訪問して渡すなど、持ち運びが無いパターンなら少々大きめでもOKです。

このように、相手のこととボスのことを考えて、想像して、精一杯の気遣いと優しさで選び、相手に喜んでいただきましょう。

5.話題性
できる限り話題性のあるものが良いです。その場で話が盛り上がって、商談がうまくいくかもしれません。
流行りのもの、新製品、マスメディアで取り上げられたもののほか、相手や自分の出身地のもの、ルーツのあるもの、なども話題性があります。もらったら、盛り上がりますよね。

ということで、秘書として手土産を選ぶ際の基本の選び方をご紹介しました。
ほかにもいろんな選び方があると思うのですが、私はこれで事足りておりました。

今日は以上です。